「12・3 安和海上大行動」に参加


辺野古の新基地建設の現場では、様々な問題があるにも関わらず基地建設が強行されています。
昨年、2018年12月14日に海へ土砂投入が開始されました。
それから1年近くが経ちますが、現場での抗議活動のおかげで、工事は遅々として進んでいません。
今ならまだ引き返せるレベルだと思います。

工事の遅れを取り戻したい防衛局は、陸上からの埋め立て用の土砂搬入だけなく海上からの土砂の搬入も開始しました。
辺野古の反対側、西海岸の安和にある琉球セメントの桟橋で土砂を大型の運搬船に積み込み、南回りで辺野古まで運搬するという方法です。
その方法自体に問題があるのですが、防衛局は県の条例を無視する形で進めてきました。

この地図を見るとその運搬の規模がわかりますが、どれだけの費用がかかるのでしょうか。これは全て私たちの税金で行われているのです。


そして埋め立て用の土砂の採掘が行われている安和の近くの山は無残に削られてしまっています。
海だけでなく山も、ものすごい勢いで自然破壊が進められてしまっているのがこの写真を見るとわかります。


安和からの運搬作業が始まったおかげで、海上行動チームは辺野古だけでなく、安和の琉球セメントの桟橋で運搬船の運行を遅らせるという抗議行動をせざるを得なくなりました。



そして、安和からの運搬が始まってから1年目の12月3日には、海上からの土砂の運搬に抗議する為に安和海上大行動が計画されたので参加させていただきました。
安和は辺野古から車で30分ほどかかります。
カヌーは辺野古に置いてあるので、必要数を全て車で運ばなければなりません。
大行動の前日からカヌーの運搬作業を始め、当日も暗いうちから集まっての行動でした。

冷たい北風の吹く日となりましたが、66艇のカヌーと4艘の抗議船、そして陸にも150人の人が集まり、マイクで抗議の声を上げました。


いままでも辺野古ではこういった海上大行動は実施してきましたが、安和での実施は今回が初めて。
安和には辺野古のような「臨時制限区域」がありませんので、カヌーはある程度自由に漕ぐことができます。
60艇以上ものカヌーが海にいては大型運搬船の航行は難しい、または海上行動で運搬工事が長時間阻止されるというマスコミの報道を恐れたのか、この日は運搬船ではなく、琉球セメントの本来の業務のひとつである石炭船が接岸していました。
石炭船は、土砂の搬出が始まってからは土日にしか来ていなかったそうです。
海上大行動の日は火曜日。
通常であれば運搬船が1日に3〜4回接岸し、埋め立て用の土砂を運搬しているはずなのです。
ちなみに前日の月曜日も石炭船のみで土砂の搬出はなく、翌日も運搬船は姿を見せませんでした。

また、前の週は天気が悪かったため運搬作業ができなかったので、一週間以上は船による土砂搬入は止まっていました。そのため、桟橋の土砂のストック場所もいっぱいとなりダンプによる桟橋への土砂運搬もついにストップしたのです。


準備は大変でしたが、安和での海上大行動は大きな成果を上げたと言えます。

防衛局は5年で埋め立て完了と言っていたのですが、埋め立て承認から6年たった今でも1%しか埋め立ては進んでいないそうです。
地道な抗議活動が新基地建設を遅らせているのです。

さて、今回の海上大行動では個人的に特別なことがありました。
海上からのスピーチをお願いされたのです。

スピーチの内容についてはいろいろと考えたのですが、
結局は自分が辺野古に通い続けている理由を話すことにしました。

山梨に米軍の海兵隊基地があったこと。
それが地元の人の反対で沖縄に移転したこと、
そのことを知っている山梨県人が少なくなっていて
そういう自分も5年前に辺野古へ来て初めてそれを知り、また、それまで沖縄の基地問題を見て見ぬ振りをしてきてしまったことについて、本当に申し訳なく思っているということ。
それからは、辺野古に通いながら、山梨で思いを同じくする人たちと映画の上映や講演会などを実施して、沖縄の問題を伝え、最近では沖縄の基地問題を自分のこととして捉える人が増えてきていると感じている。
軍事基地はどういう理由をつけても戦争のためのもの。
戦争はどんな大義名分をつけても殺し合いにすぎない。
だから世界中の多くの人が戦争には反対の気持ちを持っているはず。
それならば、人間の英知を結集させればいつか戦争は無くせるはず。
それがいつになるかはわからないけれど、今、ここで生きている私たちがやらなければならないことは、新しい基地を作ることでは絶対にない。
これだけ多くの新基地建設反対の思いを持つ人が日本各地から集まるのだから止められるはず。

そんなことをカヌーの上からスピーチさせていただきました。

また、今回の辺野古滞在中にはカヌー指導員のキャリアを生かして、抗議活動だけでなくカヌー教室の手伝いも。
カヌーで海に出るにはそれなりの技術や体力が必要になりますし、カヌー経験があったとしても抗議活動なので、辺野古ならではのルールもあります。
そういったことをレクチャーするのがカヌー教室です。
毎週日曜日に無料で辺野古で開催しています。

カヌーチームも最近では人数の少ない日もあり、カヌーに乗れる人を増やすという課題もあります。
また、カヌー教室を受けてせっかく海に出られるようになっても、遠方から来ている人はブランクがあると技術を忘れてしまうということもあると聞いています。
山梨に住んでいるので、関東エリアでのカヌー教室ができないかと、個人的に考えています。

僕が初めて辺野古へ行ったのが2014年の12月。
それから行くたびに工事が進み、5年たった今では辺野古の海の姿は大きく変わってしまいました。
それでも、今ならまだ現状回復ができるレベルだと思います。

ここまで工事を遅らせたのは現場で毎日頑張っている人たちのおかげです。
沖縄へ移住し、そして毎日のように海に出てカヌーでの抗議活動をしている方もいます。

これからも山梨からできることをやっていければと思っています。

中島

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